効率的投資家仮説とは、投資家の行動が市場全体の価格決定に影響を与えるという理論である。
## 概要
20世紀後半にポートフォリオ理論において体系化された概念であり、市場参加者が合理的な意思決定を行うと仮定し、その結果として市場は常に効率的であると考える。投資家が全ての情報を適切に評価し、最適な資産配分を選択することで、市場全体の均衡を達成するとされる。
## 役割と機能
効率的投資家仮説は、ポートフォリオ理論における中心的な役割を果たす。この仮説に基づき、リスクとリターンの関係性や、資産価格が合理的な水準にあることを示唆する。また、CAPM(キャピタルアセットプライシングモデル)やベータ係数などの重要な概念を導き出す基盤となる。
## 特徴
- 市場参加者の行動が市場全体の均衡に影響を与える
- 投資家の情報収集と分析能力が高いと仮定する
- マーケット・ミスプライシング(価格の誤差)は一時的である
## 現在の位置づけ
近年、市場の不完全性や人的限界を考慮した上で効率的投資家仮説への批判も見られる。情報非対称性や心理的なバイアスが価格形成に影響を与える可能性があるため、完全な市場効率性は疑問視される傾向にある。一方で、学術研究や実務において依然として重要な基盤的概念として位置づけられている。

