バリュー・アット・リセットとは、金融商品の価値が一定期間内にどれだけ減少する可能性があるかを定量的に評価するリスク管理手法である。
## 概要
バリュー・アット・リセット(Value at Risk, VaR)は、20世紀後半に確立されたリスク計量手法で、金融機関が市場リスクの把握と管理を行う際の重要な指標として用いられる。VaRは、ある特定の期間内に一定の確率で発生すると予想される最大損失額を算出することで、投資家のリターン期待値や許容リスク水準とのバランスを取りながら資産運用を行うことを可能にする。
## 役割と機能
VaRは金融商品の価格変動リスクを数値化し、市場環境の変動に伴う損失リスクを把握する役割を持つ。これにより、投資家や機関はリスク許容範囲内で資産運用を行うことが可能となる。また、規制当局が金融機関に対して自己資本比率などの健全性評価を行う際の指標としても活用される。
## 特徴
VaRの特徴は以下の通りである。
- 一定確率での最大損失額を定量的に示す
- ポートフォリオ全体のリスクを一括で把握可能
- 市場変動シナリオに基づく評価が可能
ただし、VaRには限界があり、極端な市場変動(テールリスク)やその他のリスク要因への対応は困難である。
## 現在の位置づけ
近年では、バーゼルIII規制においてVaRを含むストレステストが重視され、金融機関の健全性評価における重要な指標としての役割が強まっている。一方で、VaRの限界点も認識され、条件付きVaR(CVaR)など、より高度なリスク計量手法への移行が進んでいる。

